エルニーニョ現象の発生中から終息後1年間ほどは、日本付近で大地震が多くなる傾向があるが、昨年6月に終息したために、今年2020年6月頃までは大きな地震や火山噴火に注意が必要だ。
■エルニーニョ現象とは
エルニーニョ現象とは、太平洋東部の赤道付近の海域で、海水面の温度が通常よりも高くなる現象のこと。エルニーニョと地震の発生の関係について発見したのは、恐らく私が最初だと思う。
2017/12/14に探求三昧ブログ上でその旨を発表したが、ネットで検索してもそれ以前にそのような言及が見つからないから、そう判断する。
もしかすると、ネット上で公言していなかっただけで、気が付いていた人もいるかもしれないが。
【地震予知】エルニーニョとラニーニャ現象は大地震の発生に関係あるか?過去データから検証してみた
エルニーニョの反対の、太平洋東部で海水面温度が通常よりも低くなるラニーニャ現象についても、地震と関係があると思っているが、この記事では取り上げない。
■エルニーニョ終息後の1年間は大地震が多い
気象庁の4/10の発表では、今年の夏はエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生の可能性は低いという。だが、安心してはいられない。
私の研究では、エルニーニョ現象が終息しても、その後1年間ほどは日本付近で大きな地震や火山噴火が多く見られるためだ。
火山噴火については、地震ほどは自信がないので、そういう可能性がある程度にとどめておく。
直近で発生したエルニーニョ現象は、2018年11月~2019年6月まで続いた。
そのため、終息から1年間ほどの2020/06末頃までは、大きな地震に注意が必要だ。
■エルニーニョ発生中から1年後以内に起きた地震・噴火
以下に、過去50年間ほどに発生したエルニーニョ現象の期間中から終息後1年間ほどに大規模な地震と火山噴火が起きた例を以下にまとめる。特に大きな被害が出た地震・噴火は青文字で示す。
凡例:【エ】エルニーニョ
【エ】1972年春~1973年春(1年間)
1972年12月4日:八丈島東方沖地震、M7.2。
1973年6月17日:根室半島沖地震、M7.4、津波地震。
【噴火】1973年7月14日~28日:爺爺岳、マグマ水蒸気噴火、VEI4。
【エ】1976年夏~1977年春(0.8年間)
【噴火】1977年8月7日:有珠山、VEI3
1978年01月14日:伊豆大島近海、M7.0、最大震度5、犠牲者25人。
1978年03月07日:東海道南方沖、M7.2。
【エ】1982年春~1983年夏(1年間)
1982年3月21日:浦河沖地震、M7.1。
1982年7月23日:茨城県沖、M7.0。
1983年5月26日:日本海中部地震、M7.7、日本海に大津波、犠牲者104人。
1983年8月8日:山梨県東部、M6.0、犠牲者1人。
【噴火】1983年10月3日:三宅島、群発地震に続き噴火、VEI3。
【深発】1984年1月1日:三重県南東沖 - M7.0、深さ388km。
1984年3月6日:鳥島近海、M7.6。
1984年8月7日:日向灘、M7.1。
【エ】1986年秋~1987/88年冬(1.2年間)
【噴火】1986年11月15日:三原山、VEI3
1987年3月18日:日向灘、M6.6、犠牲者1人。
1987年5月7日:日本海北部、M7.0。
【南関東】1987年12月27日:千葉県東方沖地震、M6.7、犠牲者2人。
1989年11月02日:三陸沖、M7.1、久慈で1.3 mの津波。
【エ】1991年春~1992年夏(1.2年間)
1993年1月15日:釧路沖地震、M7.5、犠牲者2人。
1993年7月12日:北海道南西沖地震、M7.8、犠牲者・行方不明者230人。巨大津波。
【エ】1997年春~1998年春(1年間)
1998年05月04日:石垣島南方沖地震、M7.7。
1998年08月20日:小笠原諸島西方沖、M7.1、深さ467 km。
【エ】2002年夏~2002/03年冬(1.2年間)
2003年07月27日:日本海北部、M7.1、深さ487km。
2003年9月26日:十勝沖地震、M8.0、津波、犠牲者・不明者2人。
【エ】2009年夏~2010年春(0.8年間)
2009年08月11日:駿河湾、M6.5、最大震度6弱、犠牲者1人、津波40cm。
2010年12月22日:父島近海、M7.4〜M7.8。
2011年03月11日:東北地方太平洋沖地震、Mw9.1、犠牲者・行方不明者約2万2000人
【エ】2014年夏~2016年春(1.5年間)
【噴火】2014年9月27日:御嶽山噴火(水蒸気爆発)、犠牲者58人。
2014年11月22日:長野県神城断層地震、M6.7、最大震度6弱。
【噴火】2015年5月:口永良部島
2015年5月30日:小笠原諸島西方沖 - M8.1。
2016年4月16日:熊本地震、M7.3、犠牲者258人。
■今年6月頃までは注意を
エルニーニョ現象の終息後1年間というのは、あくまでも現時点までの研究の途上で導き出した仮説であり、絶対にそうだとは限らないかもしれない。
また、たとえそのような傾向があったとしても、きっかり1年間となるわけはない。
あくまでも目安ということだ。
また、たとえそのような傾向があったとしても、きっかり1年間となるわけはない。
あくまでも目安ということだ。
上記のように東日本大震災などでもそのようなタイミングで発生しているだけに、注意するに越したことはないのではないか。